BPOに学びNHK『クロ現』の嘘を暴いた

平成27年4月15日に、NHK「クローズアップ現代」(以下『クロ現』)で「食卓の魚高騰! 海の資源をどう守る」という番組が放送されました。

私は、この番組には、7つの嘘があるとして、2回にわたりそれをただす質問状をNHKに送付しましたが、最終的に得られた回答はおおよそ以下の通りでした。(この経緯は当ブログにおいて掲載済みです)

 

 NHKからの回答

クローズアップ現代「食卓の魚高騰!海の資源をどう守る」の内容につきましては、水産庁、全国各地の漁業者や市場関係者、研究者、消費者など様々な取材で得られた事実を元に制作しており、虚偽の内容であるとのご指摘は当たりません

 

具体的に質問してもまともに答えないNHKに強い不信感を抱き、これ以上NHKを相手にしても真相の解明はできないと思い、放送倫理・番組向上機構(BPO)への申し立てを検討していました。

 

そういった矢先、平成27年11月6日放送倫理検証委員会決定 第23号「NHK総合テレビ『クローズアップ現代』“出家詐欺”報道に関する意見」が公表され、「重大な放送倫理違反があった」と判断されました。

 

「放送倫理検証委員会」とは、BPOにある3委員会の一つで「問題があると指摘された番組について、取材・制作のあり方や番組内容について調査。放送倫理上の問題の有無を、審議・審理し、その結果を公表する」ところです。

 

私は、その意見書を読んで

 

「NHKともあろうものが、こんなことまでして嘘をつくのか」

しかも、内部調査委員会が、この番組の真実を知っても

「事実のねつ造につながるいわゆる『やらせ』は行っていない」と、どうしたら結論づけられるのか、

とNHKの上から下までの虚偽体質に驚きました。

 

と同時に、BPOにより明らかにされた「映像によって嘘を真実に見せる」巧妙な手口を知ることができました。

 

そこで、意見書から学んだことをもとに、あらためて「食卓の魚高騰! 海の資源をどう守る」という番組(以下『資源番組』)を検証し、追加的調査を行ったところ、その映像の中に明らかな虚偽が含まれていたと断定するに至りました

 

それは「やらせ」以上に悪質な「言っていないこと、それも事実と逆のことを勝手に挿入する」ものでした。

 

 

1 BPOが明かした『出家詐欺番組』における嘘の手口

 

この番組が問題化された発端は、出家詐欺のブローカーと紹介された男性(A氏)が、週刊誌上で「自分はブローカーではなく、記者にブローカーの演技をするように依頼された」などと告発し、『クロ現』に『やらせ』があったのではないかとの疑いが浮上したことです。

 

BPOが「重大な放送倫理違反があった」と結論づけた根拠の中でも、その核心となったのは、事務所にいるブローカー(A氏)を多重債務者(B氏)が訪ね相談する場面です。たったそれだけの場面ですが、驚くべきことにその真実は、

 

・A氏とB氏は10年来の知り合い(初対面のように映像に嘘を言わせている)

・この事務所は、なんとB氏が鍵を管理し事前に準備した部屋(あたかもA氏の事務所にB氏が訪ねたごとく映像に嘘を言わせている)

 

でした。

 

BPOは「視聴者は、相談場面に登場した人物の実像がいかなるものであったか、実際の相談場面はどのように準備され、撮影されたかを知れば、番組から受けた印象とのへだたりの大きさに驚くに違いない」としております。

 

それだけではありません。なんと取材対象人物の発言そのものを勝手に変えているのです。この『クロ現』(2014年5月14日放送)のベースとなった関西ローカル番組『かんさい熱視線』(2014年4月25日放送)にも同じ映像があるのですが、

 

『かんさい熱視線』

ブローカー「少しね費用がかかりますけど、50万円前後」

多重債務者「分かりました

多重債務者「すぐにご連絡さしあげます

ブローカー「極力早いほうが・・・」

多重債務者「はい・・・」

 

『クローズアップ現代』

ブローカー「少しね費用がかかりますけど、50万円前後」

多重債務者「はぁ~

ブローカー「極力早いほうが・・・」

多重債務者「はい・・・」

 

 

「分かりました」「すぐにご連絡さしあげます」がどうして「はぁ~」に変ったのでしょうか。

 

BPOがこの相談場面の映像・音声の変更の経緯についてただしたところ、記者、ディレクター及び編集マンのいずれも、記憶がないと述べている、とのことです。自分のしたことに記憶がないとは、ロッキード事件の国会答弁のようで、明らかに嘘をついていることがありありです。

 

これではドラマの撮影場面の取り直しのようなものです。私が『資源番組』に対する質問状で「ドラマ化されたシナリオ」があったに違いないと指摘した通り、この『出家詐欺番組』でもそれが存在したのです。『クロ現』はNHKの看板番組だそうですが、朝の看板番組の『朝ドラ』に対抗していつのまにか『夜ドラ』になっていたようです。

 

視聴者をだますのもいい加減にせよ!

 

 

2 『資源番組』のある場面を虚偽と断定した経緯

 

(1)着目した場面

 

BPO意見書から学んだNHKの映像による嘘のつき方をもとに、あらためて『クロ現』の『資源番組』を検証してみました。私が、指摘してきた7つの嘘は以下の通りです。

 ・「魚高騰の原因は資源減少(1つ目の嘘)」は事実ではなく、円安が原因。

・「現在、魚が大きく減少している(2つ目の嘘)」は事実ではなく、現在、漁獲量は下げ止まり、資源は回復に向かっている。

・また、「魚は手の届かない存在になってしまうのでしょうか(3つ目の嘘)」「アジ、サバの資源は軒並み減少しています(4つ目の嘘)」も事実ではない。

「早い者勝ちの漁獲競争に歯止めがかけられていません(5つ目の嘘)」は事実ではなく、日本においてその事例はない。

・また、「漁獲量を制限すれば漁獲競争が是正できる(6つ目の嘘)」「日本には漁獲量を制限する規制が少ないことが資源減少要因(7つ目の嘘)」も、その根拠はない。

 

そこで、『出家詐欺』と同じように映像を使って嘘を言っていないか、登場人物の発言を勝手に変えていないかをもう一度細かく検証しました。

 

そこで、着目したのが5つ目と6つ目の嘘に関連する以下の場面であり、特に映像の間の赤字のナレーション部分でした。

(なお、以下は『クロ現』のホームページから転載したものですが、NHKの嘘に利用された漁業者の名誉を守るため、名前をA氏と修正し、映像を削除しております)

 

魚が取れない 苦悩する漁師たち

 

漁師Aさんの映像

 

 

27年にわたって漁を行っている、Aさんです。 水揚げが減る中で、去年、最新の魚群探知機を導入。 1センチ単位で魚の姿を捉えることができます。

 

ず1

漁師 Aさん 「23センチ、小さいです。」  

 

ず2

見つけたのは成長前の小さなサバの群れ。

養殖魚の餌などにしかなりませんが、網を入れました。

たとえ自分が取らなくても、ほかの船に取られてしまいます。

規制がない現状では、収入を得るためにやむをえないといいます。

 

 

漁師Aさんの映像

 

漁師 Aさん

「どこでやっても小さいサバしかいない。

他に取るものがなければ、まさか『水揚げゼロ』というわけにはいかない。」

 

私はこの映像に関し、NHKとの間で以下のようなやり取りを行いました。

 質問12 「早い者勝ちの漁獲競争に歯止めがかけられていません」と判断した根拠となる日本における具体的事例(漁業種類、魚種、漁場、漁期など)をご教示願います。これまで、日本でその様な具体的事例が指摘された事例を承知しておらず、ぜひお聞きしたいための質問です。

 

<NHKからの1回目の回答>

 

無回答

 

<NHKからの再回答>

 

番組では、銚子沖のマサバ巻き網漁で、成長前のサバの群れであっても、取らなければ他の漁船に獲られてしまうため仕方なく網を入れる実態を紹介しています。漁業者からは、漁船ごとの漁獲規制がないため、早い者勝ちの漁獲競争が行われるという嘆きの声を多数得ています。

 

<再回答への私のコメント>

番組に登場した漁師は「どこでやっても小さいサバしかいない。他に取るものがなければ、まさか『水揚げゼロ』というわけにはいかない。」と言っているだけで「たとえ自分が取らなくても、ほかの船に取られてしまいます」などと言っておりません

・番組のナレーションでそう説明しているだけであり、むしろ番組側が一方的にこの説明を挿入した疑いすらあります。なぜなら、銚子沖で操業するまき網漁船は、国から割り当てられた漁獲枠を、仲間内での自主的な話し合いで船ごとに分配(個別割り当て)しているため、「取らなければ他の漁船に獲られてしまう」という状況にないからです。

 

 

(2)虚偽と断定するに至った経緯

 

上記(1)で、NHKからの再回答に対し「番組側が一方的にこの説明を挿入した疑いすらあります」と、あくまで「疑い」にとどめたのは理由があります。

 

その一つ目の理由は、

上記の「見つけたのは・・・」から始まる4行のナレーションの前後に、漁師Aさんの直接話した映像があり、そのあいだに漁師Aさんが言ってもいないことを、突如、挿入することは、さすがにNHKはしないだろうと思ったからです。

 

二つ目の理由は、4行のナレーションでは、漁師Aさん以外が主語になり得ないからです。

 

4行のうち、始めの2行の「見つけた」のも「網を入れた」のもいずれもその主語は漁師Aさんで、これは事実を表しており虚偽ではありません。

 

問題はそのあとの2行です。

 

3行目「たとえ自分が取らなくても、ほかの船に取られてしまいます。」

の「自分」とは、漁師Aさん以外の者とは受け止められません。

 

4行目「規制がない現状では、収入を得るためにやむをえないといいます。」

の「いいます」も、漁師Aさん以外が言ったとは受け止められません。

 

後の2行のナレーションは、漁師Aさん以外の者の見解であるという説明は絶対あり得ません。これは、100人の視聴者に聞いても皆さんそう受け止めると思います。

 

この2行について、わたしは明らかにおかしいと思いながらも確信に至らなかったのは、漁師Aさんは、映像に出ていない部分でそういう話をしたかもしれない、まして『資源番組』が制作過程にあったころには、すでに『出家詐欺番組』の『やらせ』が社会問題化し、BPOでの審議が開始されていた状況下で、新たな嘘をNHKがつくわけがないと思ったからでした。

 

だから「疑いがある」にとどめたのです。

 

しかし、NHKに対するわずかに残った信頼は、BPOの報告書によって完全に消え失せました。NHKは平然と嘘をつく組織でした。NHKは取材対象者が言っていないことを勝手に挿入する組織でした。これでわたしの「疑い」は「確信」に変わりました。

 

そこで、それまで控えていた「そんなことを本当に言ったのか」の裏付けをとるための追加的調査をしました。そうして思っていたとおり「言っていない」と断定するに至りました。断定に至った証拠は『資源番組』のディレクターに、番組放映直後にかかった「一本の抗議電話がそれだ」とだけ申し上げておきます。NHKは、漁師Aさんの映像に「言っていない」ナレーションを乗せ、嘘をつかせたのです。

 

これは間違いなく『やらせ』以上に悪質で、重大な放送倫理違反であることはもちろん、漁師Aさんの人権にもかかわる大問題です。

 

3 なぜNHKは嘘の番組を作ったのか

 

BPOは意見書で『出家詐欺番組』の問題点を「情報提供者に依存した安易な取材」にあるとし、以下のように指摘しています。

 

 記者は、ほとんど事前取材も裏付け取材もなしに情報提供者の証言に全面的に依存して報道内容を決め、情報提供者の紹介で取材対象者や撮影場所を選定した。A氏から詳細な出家詐欺に関する話を聞くのも当日が初めてと思われるが、撮影後に放送に使用する情報の裏付け取材をした形跡もない。このような取材態度には、真実性の確保という点で非常に問題がある。


 

全く同じ構図です。

 

『資源番組』も、ゲストの東京海洋大学准教授勝川俊雄氏という「情報提供者」の証言に全面的に依存して報道内容(ドラマ化されたシナリオ)を決め、勝川氏の紹介で取材対象者や撮影場所を選定したから、7つの嘘が満載された番組になったと思います。

 

勝川氏の主張の裏付けを、複数の資源管理の専門家に取りさえすれば、日本漁業の実態と適合しない虚偽と偏見に満ちたものであることは、NHKはすぐにわかったと思います。

 

勝川氏の主張は、規制改革会議の提言に沿った「資源が悪い」→「先獲り競争が原因」→「個別割当制度(IQ)を導入せよ」というシナリオであり、それに合うように事実を改変し、ドラマに仕立てたのでしょう。

 

そもそも、銚子沖のマサバ巻き網漁を取材対象にすること自体が間違っていたのです。

 

なぜなら、その漁業こそが自主的な個別割当を導入して、先獲り競争を抑制している優良事例なのですから。よって、先獲り競争が「ない」ところに「ある」というドラマのつじつまを合わせるために、「言っていないことを言わせる」虚偽の映像を作らざるを得なかったのです。

 

NHKは漁師Aさんに嘘をつかせる映像偽装の前に、勝川氏に「こんなインチキはできない」と拒否すべきだったのです。しかし、NHKも勝川氏の嘘を承知でそれでもやったのは、規制改革という目的のためには、嘘も許されるという両者に共通する傲慢さからのものでしょう。

 

4 NHKの嘘の社会的影響は大きい

 

NHKのついた嘘は、大げさに言うほどの嘘ではないのではと思う方がおられるかもしれません。しかし、この嘘は、今後の日本漁業のあり方を大きく左右する大問題であります。規制改革会議の手先の勝川氏の狙いはここにあり、そのためにNHKも嘘をついたと考えざるを得ません。

 

規制改革会議の目的は、現在「公共資本」の位置づけにある海の資源を「個別割当」化し、かつ「譲渡可能」とすることで「私有資本」にして市場取引の対象にすることにあります。そのためには、まず資源を国が配分する「個別割当」にする必要があります。

 

しかし、その目的が一部の者だけが豊かになる「強欲追及のため」とは言えないので、資源問題にからめ、そうしないと「先獲り競争が起こる」という国民をだますためのフィクションを作りあげたのです。

 

日本の漁業においては、外国では見られない漁師同士の話し合いでの自主的管理が発達し、個別割当をせずとも先獲り競争を抑止しています。まして、銚子沖のマサバ巻き網漁においては、それに加えて自主的管理による「個別割当」をしています。

 

よって、番組はこの漁業を「先獲り競争を起こしていない模範生」として紹介しても良かったのです。すでに同漁業では「個別割当」を導入しているという事実を知る人から見れば、4行のうちの後の2行は明らかに矛盾していることに気が付き、我が目と耳を疑ったと思います。

 

なぜ、NHKはそこで嘘を挿入する必要があったのでしょうか。私の推測は以下の通りです。

 

すでに触れましたが、規制改革会議には、漁業に市場原理を持ち込み、資源を市場取引(マネーゲーム)の対象にしようとする目的があります。そのためには「個別割当」の段階でとどまってはならず「譲渡性個別割当」に移行しなければならないからです。

 

 

1年間を通じてあらかじめ漁業者に漁獲枠を割り振る「個別割当」にすると、資源も漁海況も大きく変動することから、必ず漁業者間での過不足が生じます。そこで漁業団体における自主的な「個別割当」では、毎月漁業者間の話し合いでその過不足を速やか、かつ円滑に調整できますので、それではいつまでたっても「カネでやり取りする譲渡性」に移行できません。

 

だから、国が1年間の配分を漁期前に決める硬直的な「個別割当」にすれば、現場に疎い役所には過不足を調整する能力などありませんので、「カネで片づけろ」しかなく譲渡性へと移行せざるを得なくなるのです。

 

規制改革会議は、「官から民へ」という御旗をうやうやしく掲げていますが、それでは大企業や資本家の利益にならない場合は、その逆「民でできても官にやらせよ」という規制強化を恥じらいもなく提言する組織なのです。

 

規制改革会議が大好きで、日本漁業が大嫌いなJR東海のお偉い方と、NHKのお偉い方は仲良しのようですので『資源番組』もそのような連携プレーから制作されたのかもしれません。その嘘だらけの連携プレーをつないだのが、どちらにも頻繁に顔を出す勝川氏でしょう。

 

NHKが嘘を世にまき散らしたおかげでしょうか、規制改革会議から水産庁への圧力を高める結果となり、今年の漁期から水産庁の命令で「銚子沖のマサバ巻き網漁」においては、自主的管理から役所により配分される硬直的な「個別割当」に移行させられることになりました。

 

すでに昨年、一部の漁船でそれが強制されていましたが、自主管理のグループと比較し、案の定「散々な目に会い懲りた」結果となり、その継続に漁業者が反対したにもかかわらず、なんとそれをやめるどころか、水産庁は今漁期から全船にそれを強制したのです。

 

日本漁業の特徴である資源の自主的管理は、世界から高く評価されており、今の世界に欠けている「共生」から成り立っています。それを世界の多くの人々を不幸にし、強欲を追及するグローバル資本の餌食にする施策へと逆行させる片棒を、NHKは嘘までついてかついだわけです。

 

なお、アメリカ版「譲渡性個別割当」である「キャッチ・シェア」について、ニューズウィーク日本版(2014年8月26日号)は、アメリカでこれが導入された結果「漁師は小作人になり、今より低い収益しか挙げられなくなる」「漁業界からウォール街に大金が流れる」としています。

 

NHKとはテレビ1台につき貧乏人からも金持ちからも同じ金額の受信料をとっていながら、なぜか金持ちに奉仕する公共放送だったようです。

 

 

5 再出発は3700本の番組をすべて検証し終わってから

 

一部の報道によれば、『クロ現』は今回の『出家詐欺番組』にかかる不祥事を、来年4月から放送時間帯をチョットかえる(元の時間帯に戻るだけ)ことで「みそぎ」を済ませ再出発する考えのようです。

 

こんなことでの再出発は、絶対に許されるものではないと思います。

 

BPOは、重大な放送倫理違反が発覚する以前の『クロ現』を以下のように評価しています。

 

 1993年の放送開始から22年余り。『クローズアップ現代』は、政治・経済・国際・ 事件事故から、芸術・文化・スポーツまで、幅広いジャンルのテーマを掘り下げて迅速に伝え、NHKを代表する報道番組のひとつという社会的評価を得てきた問題の核心に迫るVTR映像と、それを補強するキャスターとゲストの専門家との やりとり。このシンプルな演出を基本として、3700本もの番組が世に送り出されている

 

おそらく、多くの国民もそう評価していたでしょう。しかし、評価の高かった「問題の核心に迫るVTR映像」において、真っ赤な嘘をついていたのでした。

 

 

たまたま一つの番組で魔がさしたというのなら、『クロ現』への信頼の回復ができるかもしれません。しかし、『出家詐欺番組』がBPOで審議されているのに、また新たな嘘を『資源番組』でついていたのです。

 

『クロ現』は、救いがたいほど放送倫理が欠如している番組と言わざるを得ません。

 

いったい『クロ現』は、どのくらいの嘘をついてきたのでしょうか。この2つの番組に限ったことではないでしょう。そこで、現在大きな社会問題となっているA社による「杭打ち工事データ改ざん問題」と比較して考えてみましょう。この問題も、たまたま横浜市のマンションが傾いたことから、データ改ざんが発覚しましたが、その後の対応が違います。

 

A社は、過去約10年間にくい打ち工事をした物件3040件を調べて、データ改ざんが最終的に三百数十件に上る見通しであると国土交通省に報告し、公表するとしています。当然のことでしょう。一つに改ざんがあれば、ほかにもあるかどうか調べて社会にそれを公表しなければ、信頼は取り戻せないのですから。

 

BPOは、報告書の冒頭で以下のようにいっています。

 

 「いま報道された事実は本当だろうか」と、いちいち疑ってかからなければならないとしたら、われわれの社会・ 世界に対する見通しはおおいに混乱し、日常生活も成り立たないであろう。テレビや ラジオのニュース・報道番組も、放送関係者が真実を追い求め、それが適切に編集された成果であるという視聴者の信頼がなければ成り立たない


 

『クロ現』の放送時間帯を変更することだけで再出発しようとしているのなら、とんでもない誤りです。過去に放送された3700本の番組すべてについて徹底的に検証し、『やらせ』や『発言の改ざん』などがどの程度あったのかを公表しなければなりません。もちろん最初にやるべきが『資源番組』であることは言うまでもありません。明確な虚偽の証拠があるのですから。

 

再出発は、その検証結果を公表してから考えるべきと思います。そうしない限り「視聴者の信頼」は決して取り戻せないでしょう。

 

今度こそNHKは、反省し真摯な対応をすることを望みたいと思います。

 

 


 

 

 

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