水産政策改革に対する意見(投稿)その①

前回のブログ「開けましたら、もう負けていました(涙)」に関連し、早速匿名で貴重な投稿がありました。

それは、水産庁・全漁連(JF)が何故、こんな改革案を受け入れてしまったのか、その敗因についてJA改革の時と比較しながら考察されています。

JAと違いJFがここまで官邸・規制改革に譲歩する必要はなかったという点において、非常に説得力があるご意見です。

ぜひ皆様にも読んでいただきたいと思いその内容を以下に紹介させていただきます。

入札制度を回避したという話しは私も聞きました。

当時の状況から察するに、「入札制度の回避」というのはタテマエであって、基本的にはJA中央会の「二の舞になるぞ」と水産庁職員が全漁連幹部に言ったとのだろうと。

水産庁も官邸主導のもと改革ありきの状況になっていて渋々進めていたと思うのですが、素人過ぎる規制改革推進会議に提案されてやるぐらいならば自らやるという判断があったと思います。その気持ちはわからないでもないですね。

振り返ると、JA中央会は「准組合員制度の廃止」を回避するために自らの根拠制度を奪われる農協改革を受け入れました。准組合員制度廃止を回避するために自分たちが否定されていることを受け入れざるを得なかったということです。准組合員制度がなくなれば、信用(金融)、共済(保険)事業が縮小して各地のJAの経営が立ちゆかなくなるからです。

もともと、准組合員制度は、金融や保険が行き届かない、農村の非農民(正組合員になれない住民)にも事業を利用してもらうために設けられたもの。戦前からの農村にあった産業組合の流れを引き継いだ事業です。しかし、准組合員制度は、外国にはほとんどなく特殊な制度である上、准組合員の事業利用が農協経営にプラスに働いていたことから、「農協はそれに甘え、農業の育成をサボっている」という解釈にされてしまいました。

総合農協(JA)はもともと農村の地域組合だったわけですが、名称は農業協同組合。経緯の知らない人たちからすれば、准組合員による信用、共済の事業利用が農協経営を支えているなんておかしい、となります。
この文脈が利用されたということです。

行財政改革の流れをくむ規制改革関連の会議では信用・共済の分離・分割論(税制優遇のある協同組合からの分離)が議論され、守旧派攻撃をするマスコミ、新自由主義識者も同調し、常々取り上げられてきました。そして、信用・共済の分離・分割よりも、准組合員制度の方が攻めやすい。准組合員制度がJAの急所になっていったのですね。

農協改革は、表向きには、成長産業化のための改革でしたが、JA中央会の体制を法的に崩す改革であり、JAにとっては「准組合員制度の廃止を回避」するために受け入れた改革。そのことで、農協法から中央会制度が消えることになり、JA中央会前々会長・萬歳章氏も辞任するに至りました。

官邸はTPPに強く反対したJA中央会の体制がよほど気に入らなかったのでしょう。事情通の自民党の農林族が農協改革案を跳ね返せば、良かったのですが、農林族議員も官邸圧力によって抑えつけられました。マスコミは、モリカケ問題とは逆に、JAを一斉攻撃をして、官邸を援護射撃。官邸圧力圧勝でした。

優先順位制度は漁村経済を守る立場に立てば至って合理的。漁村経済の均衡ある発展や、漁場の混乱を極力防ぎながら養殖業を成長産業化にするのに欠かせない制度です。優先順位制度は新規参入者にとって都合が悪いだけで、そのことが成長産業化を阻害しているとされてしまっているのは大間違い。

漁業権行使料が漁協によって違う、不透明だと偽物専門家がケチを付けていますが、マンションの管理費や家賃が物件によって異なるのと同じで、当たり前の話。本来、成長産業であるのならば、投資に見合うリターンが大きいのだから漁業権行使料など微々たるもののはず。難癖がすぎる、こうした内容が根拠にされているのはいただけない。ほぼ、子供だましの類です。

優先順位制度は地域経済の循環を大事にするという観点から考慮すれば、本来、弱みではなかった。地方創生や成長産業化に必要なものであり、入札制度こそ、経済循環を壊し、地域の水産業の発展になんにも寄与しない制度です。
その矛盾を説けばなんのことはない。
水産庁は、堂々と議論すれば優先順位制度は守れたはず。

おそらく、まともな議論をさせない今の政権の下で、萎縮させらたのでしょうね。しかし、規制改革推進会議という素人集団に指図はされたくはないでしょう。
傷口を最小にするためには、水産庁は前向きにやらざるを得ない、全漁連に対してはJA中央会の二の舞を踏まないようにすべしと言わざるを得ない、全漁連もそれに協力せざるを得ないということでしょう。

まともな政治家もやる気無くすでしょうね。
政治の劣化が最大の問題でしょう。

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