改正後の漁業法等の規定事項案に対する修正意見その①(資源管理関係)

平成30年10月24日に開催された自由民主党水産部会・水産総合調査会合同会議に「改正後の漁業法等の規定事項案」が水産庁から提出され、30日には国会提出が承認されました。戦後70年来漁業秩序の根本を支えていた法制度の抜本的大改正(悪)を、与党議員においては国会開催中の多忙な時間内のなかで資料を読み込む時間もなく、朝の1時間程度の会議で3日間での審議ではまともな議論もされたとは到底思えません。一部の議員から出た「急ぐな、通常国会に提出しろ」という意見を押し切り、まさにどさくさ紛れで議員に法案の国会提出を認めさせるという政治の劣化「政高党低」の極みをまざまざと見せつけられたようで信じられないことです。戦後の漁業法の制定及び昭和37年の大改正における国会審議と比較し、その審議時間はおそらく最短となると思います。

当事者である浜の漁業者を完全に蚊帳の外に置いて作成された法案は、近代国家における民主的な手続きを根本的に欠落していることから、例えこの臨時国会で形式的には多数決で可決されても、漁業者にはこれに従う義務など一切なく、これからが長い抵抗の戦いの始まりです。祖先から引き継いだ漁場や魚を子や孫に引き継ぐための戦いです。決してあきらめず何年かかってもこの改悪を浜から追い出すまで、実力行使もいとわず徹底的に抵抗し続けなければならないと思います。

 「嘘、隠蔽、改ざん」という違法行為を平気で行う天下無敵の安倍総理大臣のものでは、真面目な議論など一切通用せず、今回は全く聞く耳持たずで押し切られても、いずれ遠くない時にこのような政権は必ず倒れ、その反動から再改正の時期が来ることを確信し、今からそのための修正意見とその理由を以下に述べていきたいと思います。

1 目的
(案文)

この法律は、漁業が国民に対して水産物を供給する使命を有し、かつ、漁業者の秩序ある生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑み、水産資源の保存及び管理のための措置並びに漁業の許可及び免許に関する制度その他の漁業生産に関する基本的制度を定めることにより、水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、もって漁業生産力を発展させることを目的とする。

1-1 追加
漁業の使命において「地域雇用」「共同体維持」「国境監視を含めた多面的機能発揮」の3点を追加

漁業の使命に「食料供給」のみならず、地方の衰退がもたらしている深刻な国家的課題である「地方創生」に対応するため、地方における漁業の存在意義を再確認し強く位置付ける必要があるため。

1-2 追加
「漁業者による自主的漁業管理の伝統を守り」を追加

 漁業法に規定された「民主化」は法律制定後70年を経過し一定程度その目的を果たしてきたが、再び漁場や資源を少数の一部の企業・資本家に集約するような動きが規制改革において露骨になってきており、少数者による富の独占という、戦前の封建的体制に逆戻りさせないために引き続き重要な理念であり、この「民主化」の精神を新たに「漁業者による自主的漁業管理」という表現に具体化してかならず残しておく必要がある。
 また、大宝律令の「山川草木の利、公私これを共にす」及び江戸時代の「沖は入会、磯は地付き」により我が国に引き継がれてきた漁業管理制度である漁業者による自主的漁業管理は、コモンズ(共有資源)の管理において最も効果的であることが、近年世界的にも高く評価されている。よってこれを踏まえ、これまでの規定「漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて」をより簡潔にした「漁業者による自主的漁業管理」にまとめ、これを「誇るべき伝統」として堅持していく必要がある。

1-3 削除
漁業生産の基本制度等の説明文となっている記述を削除

 「漁業者の秩序ある生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑み、水産資源の保存及び管理のための措置並びに漁業の許可及び免許に関する制度その他の」はそれに続く「漁業生産に関する基本的制度を定めることにより、水産資源の持続的な利用を確保するとともに」の説明文であり現漁業法においてもそのような説明文がないため不要。

1-4 記述変更
漁業法の規定をTAC法の規定より先に記述すること

漁業法にTAC法が統合されることになったことから、「水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り」では、位置づけが逆(離れが母屋を乗っ取った形)なので、順番を入れ替える。あくまで漁業法とは養殖業も含む漁業生産の基本的制度を規定するものであり、免許・許可等の漁業秩序の上に始めて資源管理が可能となる。それを差し置いていきなり資源管理、しかもこの20年間何ら成果をあげられなかったTACを冒頭に掲げるのは全くバランスを欠く構成である。

(修正案)

この法律は、漁業が国民に対する水産物供給、地域の雇用と共同体の維持、国境監視を含めた多面的機能の発揮などの使命を有し、かつ、漁業者による自主的漁業管理の伝統を守ることがその使命の実現には不可欠であることに鑑み、漁業生産に関する基本的制度を定めることにより、水面の総合的な利用を図り、水産資源の持続的な利用を確保すことをもって漁業生産力を発展させることを目的とする。

2 国及び都道府県の責務
(案文)

国及び都道府県は、漁業生産力を発展させるため、水産資源(一定の水面に生息する水産動植物のうち有用なものをいう。)の保存及び管理並びに漁場の使用に関する紛争を防止するために必要な調整を適切に行う責務を有する。

2-1 追加
公的管理と自主的管理等との役割分担と自主的管理組織の最大限の活用を明確に位置付けること。

この案文の目的が、漁業及び資源の管理に関する行政庁の調整責務について規定するものであれば、これに係わってきた海区漁業調整員会及び漁業者による自主的漁業・資源管理団体(漁協等)との役割分担を明確に位置付けるとともに、コモンズ管理の最も効果的な手法である、自主的管理組織を最大限活用する責務を国と都道府県は負うべきであるから。

2-2 記述変更
資源保護と漁場利用の順番を入れ替えること。
 漁業法にTAC法が統合されたのであり、また漁業管理あっての資源管理であるため。

(修正案)

国及び都道府県は、漁業生産力を発展させるため、漁業調整員委員会及び自主的漁業管理組織との役割分担を明確にし、公共資源(コモンズ)の管理にもっとも効果的な自主的漁業管理組織の機能を最大限活用することにより、漁場の使用に関する紛争の防止及び解決のために必要な調整並びに水産資源(一定の水面に生息する水産動植物のうち有用なものをいう。)の保存及び管理を適切に行う責務を有する。

1-1 資源管理の基本原則
◎1-1―(1)
(案文)

水産資源の保存及び管理(以下「資源管理」という。)は、この章の規定により 、資源評価に基づき、漁獲可能量による管理を行い、最大持続生産量を実現することができる水準に資源水準を維持し、又は回復させることを基本としつつ、稚魚の成育その他の水産資源の再生産が阻害されることを防止するために必要な場合には、漁業時期又は漁具の制限のその他の漁獲可能量による管理以外の手法による管理を合わせて行うものとする 。

1-1―(1)-1 追加
漁獲努力量管理と漁獲可能量管理の資源管理特性について位置付けること

 我が国の資源管理は、その漁業種類及び魚種の多様性及び資源変動の特徴を踏まえ、漁業法に基づく漁獲努力量(F値)管理が主体となっており、それに20年前からこれらの漁獲努力量管理に上乗せする形で、TAC法による漁獲可能量(TAC)管理が一部の魚種に加わった。この点において案文では、冒頭にTACによる管理を基本とすることが規定され、我が国の資源管理手法としての主体を占める漁獲努力量管理が、付属的な位置づけとなっているが、それは事実と全く異なっており、またそうするべきという根拠についての説明もない。TAC法は、TACのみに関する法律であったので、それを冒頭に掲げるのは当然であるが、漁業法に統合されたTACの位置付けは資源管理手法の一部にすぎないものである。よって、冒頭においてそれぞれの資源管理手法の特性等について、全体的に整理し位置付けるべきであること。

1-1―(1)-2 追加
管理対象資源の変動特性に応じた資源管理手法を適用することを規定すること

 TACとは、最大持続生産量(MSY)を実現することができる水準に資源水準を維持し、又は回復させる資源管理手法であるが、そのためには対象とする資源が、MSY理論が成り立つ密度効果(親子関係)に基づき変動する資源であることが必要となっている。しかしながら、多くの魚種の現実の資源変動は、MSY理論に基づく再生産モデルに当てはまらないことが報告(注)されている。

(注)
・世界の資源においてモデルに当てはまったのは128系群中3系群のみ(Myers 1995)
・世界の主要資源でモデルで説明できたのは224系群中36系群(16%)のみ。(Szuwalski 2015)

にもかかわらず、我が国においてはこれを考慮せず、漁獲量の大きさ(漁業生産における重要度)などに着目しTAC対象資源を選択した結果、過去20年間のTAC運用実績では、資源の減少防止及び増大において全く効果が出ておらず、TAC魚種の資源変動は、漁獲量の調整によるものではなく、再生産成功率の変化に左右されてきたということが事実から証明されている。よってこれら20年間の誤ったTAC運用の反省に基づき、TACの対象となる資源の選定においては、MSY理論をもとにした資源変動モデル(密度依存的親子関係が認められる)に当てはまる事実が科学的に証明できたものに限定すべきである。

一方、環境要因による変動が大きく、親子関係が見当たらない資源については、多く加入してくれば多く漁獲し、少なく加入してくれば少なく漁獲するという資源管理に適応できる漁獲割合(F値)の調整による管理が可能な漁獲努力量規制を用いることを規定すべきである。なお、稚魚の保護による加入乱獲の防止において用いるべき管理手法も記述することにより、冒頭の部分で資源管理のすべての体系について規定できることになる。

(修正案) 

1 水産資源の保存及び管理(以下「資源管理」という。)においては、対象資源の変動特性及びそれを漁獲する漁業の漁法等の特性を踏まえ、それに適応した資源管理手法として、漁獲努力量管理、漁獲可能量管理又はその併用のいずれを用いるのが適切か、科学的及び地域社会経済的な根拠をもとに決定する。

2 最大持続生産量を実現することができる水準に資源水準を維持し、又は回復させることを基本とする漁獲可能量管理を用いる場合においては、その資源管理の科学的根拠となる親子関係が密度効果により成立することが明確に科学的に立証されている資源にのみ限定することとする。

3 対象資源に親子関係が見られず、その変動が漁獲よりも環境による影響を大きく受けており、かつ、その科学的な資源変動予想が困難な資源については、漁獲可能量管理によらず、資源変動があっても目標とする漁獲割合に調整が可能な漁獲努力量管理を用いることとする。

4 加入乱獲の防止に当たっては、小型魚の漁獲抑制が可能な漁具等による漁獲努力量管理を用いることとする。

◎1-1―(3)
(案文)

漁獲量の管理は、それぞれの管理区分において、特定水産資源を採捕しようとする者に対し、船舶等(船舶その他の漁業の生産活動を行う基本的な単位となる設備をいう)ごとに当該管理区分に係る管理漁獲可能量の範囲内で特定水産資源の採捕をすることができる採捕を割り当てること(以下「漁獲割当て」という)により行うことを基本とする。

1-1―(3)-1 追加
 船舶等ごとの漁獲割り当て(IQ)を、TAC管理においてこれを導入する場合の要件について追加する。

 IQとはTACの範囲内での先獲り競争の防止という観点から、日本のように資源の自主的共同管理ができない外国の一部で導入されているものであるが、漁船間での消化率が異なる結果,頻繁なIQの付け替え作業が必要となり、たびたび操業中断に追い込まれ、漁業経営に深刻な影響が生じてしまう。また、多くの漁業では、同時に複数の魚種を漁獲することから、そのうちの一つの魚種のIQの上限に達すると、他の魚種も併せて実質上漁獲禁止となること。また、全体に割り振られたTACと異なり、個人に割り振られたIQの違反は、その個人の利益に直結することから割当量超過の違反を誘発し、その監視・取り締まりに膨大な行政経費がかかること。このように多くのデメリットを有するIQを導入する場合においては、それを上回る先獲り競争の弊害があると認められる場合に限定すべきである。

また、TACとそれをIQ化したTACとの間で、資源管理上の効果は全く同じであり、IQはあくまで先獲り競争が抑制できないことから漁業経営上の支障が生じているゆえにその導入が必要とされるもので、行政が資源管理上の必要性を超え、個々の漁業者の経営に介入し、これを押し付ける合理性も公益性もない。よって、その導入は対象となる漁業者がその先獲り競争の弊害を認識し、その解決のために2/3以上の同意に基づく申請があった場合に限ることとする。

1-1―(3)-2 追加
 漁獲割当てを行う主体は漁業者により構成された団体が行うものとし、国又は都道府県が行う場合は、それが困難な場合に限り行うこととする。

 まき網漁業を対象に試験的に行われたIQの導入において、漁業者により組織された漁業団体は、その配分・調整を極めて効率的かつ迅速に行った。仮にこれを行政が行ったとすれば、新たな行政コストを生じさせるだけでなく、漁業実態に疎いゆえに、その付け替え調整において大きな混乱を生じさせていたと推測される。よって、IQ配分やその後の調整を行政が行わなければならない必要性は全くなく、規制改革の大原則「民でできることは民にやらせる」もあることから、団体内で調整がつかないなどの事態に至り、行政にその配分を行うように要請があった場合に限定することにする。また、その場合においても合理的な日数以上にIQの調整事務作業に遅延が生じた場合は、そのために要した休漁により生じた損害に対し国又は都道府県は補償する義務を負うこととする。

(修正案) 

1 漁獲量の管理にあたり、当該管理区分において特定水産資源を採捕する者による漁獲量の合計により管理を行うものとする
2 漁獲量の管理にあたり、それぞれの管理区分において、特定水産資源を採捕しようとする者に対し、船舶等(船舶その他の漁業の生産活動を行う基本的な単位となる設備をいう)ごとに当該管理区分に係る管理漁獲可能量の範囲内で特定水産資源の採捕をすることができる採捕を割り当てる(以下「漁獲割当て」という)場合は、当該管理区分において対象となる漁業者の2/3以上の同意をもとにした申請に基づき行うこととする。
3 漁獲割当てを行う主体は漁業者により組織された団体とするが、その団体から国又は都道府県で漁獲割当てを行うよう要請があった場合は、国又は都道府県がそれに代わり行うことができるものとする。また、合理的な日数以上に漁獲割当ての調整事務作業に遅延が生じた場合は、そのために要した休漁により生じた損失に対し国又は都道府県は補償する義務を負う。

 

(追加説明)  個別割当(IQ)は、百害あって一利なし

個別割当(IQ)とは、日本漁業においては全く必要のない制度であり、漁業者がその制度の導入を希望したことは一度もない。そもそもIQとは先獲り競争の防止という観点から、外国の一部で導入されているもの。例えば10隻の船があり、100トンのTACが設定されたとする。そうすると計算上は平均1隻10トンの漁獲量となるが、個人主義の外国では強欲むき出しで我先にと、他の漁船より1尾でも多く魚を獲ろうとして、1か月間の漁期があるのに、わずか1週間でそれを獲り尽くし、水揚げの集中による魚価低迷と、加工処理能力が追い付かないための鮮度劣化まで起こすという馬鹿げたことを行うのである。だからそれを防止するために1隻当たり10トンづつ個別に割り当てるのである。

しかし、日本の漁業は歴史的に自主的集団管理体制のもとにあることから、例えば、まず漁期中のおおよその出漁日数を定め、その日の天候状況を見て出漁日を最終決定し、さらにその日における出港時間と入港時間を定めるなどによる集団操業で、漁船間の無駄な競争を防止しTACが最も効率的に利用されるように消化率を見ながら全体で調整しており、外国のようなバカな漁業者は日本にはいないのである。その証拠に、事実誤認だらけの規制改革推進会議の議論においてすら、これまでIQが必要とされるような先獲り競争下にある具体的な漁業実態が指摘されたことが一度もないのである。

にもかかわらず、なぜ当改革で行政が過去の実績から機械的に分割したIQを強制をしようとするのか。それこそ、IQに私的所有権を設定し市場において取引の対象にする「譲渡性個別割当(ITQ)制度」というマネーゲームへ移行させるための前段階として絶対不可欠の制度であるから。実は、困ったことに行政によるIQには必然的にITQに移行せざるを得ない側面を抱えている。行政が強制する過去の平均値IQでは、その年々の資源や漁海況の変動、あるいは濃密魚群のいる漁場への当たりはずれなどにより漁船間での消化率が異なる結果,IQの過不足が生じてしまう。よって、漁船間での頻繁なIQの付け替え作業が必要となるが、それを非効率な行政を通じて行ってはたびたび操業中断に追い込まれ、漁業経営に深刻な影響が生じてしまう。このためよりスムーズに過不足調整が可能となるIQの取引市場が必要となってくるのである。「いやーITQなども毛頭考えていません」というのは大ウソであり、非効率な行政によるIQにしてしまえばITQは時間の問題である。

当改革では露骨にITQを表に出していないが、その最終目的がIQの取引を可能とするITQであることは、TAC魚種の拡大とセットになったIQ適用が打ち出されたこと、さらに業界による自主的IQ調整も認めず、国による機械的・硬直的なIQ配分としたことからして、その意図が明確である。実際にアメリカで起きたことであるが、「キャッチ・シェア」と称するITQが導入されたことで、金が漁村からウオール街に流出し、漁業者がITQ保有者である働かざる金持ちの小作人となり貧困化したという。

ITQとは、資源管理に名を借りた金儲けの道具であり、その先駆けがTAC拡大とIQの強制である。更に危惧されることは、例えば、福島第一原子力発電所の事故による「放射能汚染水」を海に放出するために、財界・企業が漁業者から資源を取り上げ小作人化することで、それに反対する権利を奪うことも可能になってくる。金儲けのためだけでなく、財界・企業による海の一層の汚染・開発をも引き起こしかねない海の私物化を促進するIQに対し、漁業者は国民と共にそれを阻止していかねばならないと思う。

◎1-1―(4)
(案文)

漁獲割当てを行う準備の整っていない管理区分における漁獲量の管理は、当該管理分区に おいて特定水産資源を採捕する者による漁獲量の合計により管理を行うものとする

1-1―(4) 削除
 IQは漁業者の申請に基づき、導入する方式にすることからこの条文は不要。

◎1-1―(5)
(案文)

前項の場合において特定水産資源に係る漁法の特性等により漁獲量の合計による管理を 行うことが適当でないと認められるときは、当該管理に代えて、当該管理区分に係る漁管理 獲可能量を当該管理漁獲可能量の特定水産資源を採捕するために通常必要となる漁獲努力量(水産資源を採捕するために行われる漁ろう作業の量であって、操業日数その他の農林水産省令で定める指標によって示されるものをいう)に換算した上で、当該管理区分において特定水産資源を採捕するために漁ろう作業を行う者による漁獲努力量の合計による行管理を行うものとする。

1-1―(5)-1 削除
上記1-1-(1)において、漁獲努力量と漁獲可能量による資源管理手法の適応条件を規定したことから、この条文は不要

又は
1-1―(5)-2 一部修正(別条において規定)
漁獲可能量(TAC)に代わり、漁獲努力量による管理を行う場合は、そのTACの基礎となった生物学的許容漁獲量(ABC)の算出における漁獲割合(F値)を達成するように漁獲努力量の合計を定めることとする。なお、都道府県の自治事務となった事項に係る権利義務については、国は法律または政令によってしか規定できないことから、農林水産省令とされている箇所は全て政令に修正すること。

MSY理論に適応した親子関係を有する資源においても、ここに記載された「漁法の特性等により漁獲量の合計による管理を行うことが適当でないと認められるとき」が必要な場合もあり得ることを想定したもの。しかし、この場合においても過去の再生産成功率の平均値などの「あてずっぽう」で算出した推定資源量から導いた非科学的なTACをもとにした操業日数などに換算するのではなく、そのTACの基礎となったABCの算出に使用した漁獲割合(F値)を直接用いて、漁獲努力量を調整する方式を選択すべきである。そうすれば予想しがたい資源変動にもかかわらず以下のイメージ図のように漁獲割合を一定に保つことができ、TAC管理よりはるかに精度の高い資源管理ができるようになる。

資源量は約4倍の範囲内で変動しているが、漁獲割合はほぼ40%で一定に維持。

(修正案)

特定水産資源に係る漁法の特性等により漁獲量の合計による管理を行うことが適当でないと認められるときは、当該管理に代えて、当該管理区分に係る漁管理獲可能量の根拠となった生物学的許容漁獲量の算出において使用された漁獲割合を達成するように漁獲努力量(水産資源を採捕するために行われる漁ろう作業の量であって、操業日数その他政令で定める指標によって示されるものをいう)の合計を定めることとする

1-2 資源調査及び資源評価

(1)~(4)の次に以下の(5)及び(6)を追加

TAC制度の前提となるMSY理論(密度効果)が対象資源に適応できるかどうかは、TACによる資源管理効果を得るためには最重要かつ不可欠な要件であることから、毎年、その対象資源の親子関係とABCの設定に当たって使用した再生産成功率と現実の値とがどの程度乖離していたのかなどの現状を公表させ、それを踏まえTAC対象魚としての適格性を毎年見直すことにする。また、環境要因により大きく影響を受けている資源において、その変動要因の解明に努めることとする。
(追加案文)

(5)農林水産大臣は、資源評価対象資源の毎年の親子関係にかかる科学的評価結果を踏まえ、TACの根拠となるMSY理論における密度効果をもとにした再生産モデルにその実態が適応しているかどうかについて公表するとともに、その結果をもとに毎年TAC対象資源としての適格性について見直すこととする。
(6)農林水産大臣は、資源評価対象資源の変動が環境要因により大きく影響を受けている場合は、その環境要因がいかなる海洋又は気象の現象並びに他の水産資源などとの相関によりもたらされているかについて分析し、その変動要因の解明に努めることとする。

◎1-4資源管理基本方針
案文

※「特定水産資源」とは、水産資源のうち、これを構成する水産動植物の特性及び資源評価(資源量の水準及びその動向に関する評価をいう。)の精度を勘案して漁獲可能量を算出することができるものとして農林水産省令で定めるものをいう。

1-4-1 追加
TACの対象とする条件(MSY理論)に適応していることを明確に規定することが必要

1-4-2 修正
 特定水産資源の指定は、農林水産省令ではなく政令において指定。現行TAC法においても政令で指定。

(修正案)

※「特定水産資源」とは、水産資源のうち漁獲可能量を算出することができるものとして、最大持続生産量の算出の根拠となる親子の相関関係が明確に存在することが、これを構成する水産動植物の特性及び資源評価(資源量の水準及びその動向に関する評価をいう。)から精度高く科学的に立証できた資源の中から政令で定めるものをいう。

1-5 資源管理の目標
(1)
案文

資源管理の目標は、資源評価が行われた水産資源について、水産資源ごとに次に掲げる資 源水準の値を定めるものとする。

1-5-(1) 追加
 資源管理目標の対象とすることが可能な資源に必要な特性を定める。

(修正案)

資源管理の目標は、資源評価が行われた水産資源について、親子関係が明確に存在し、再生産成功率の変動による影響よりも、漁獲量の調整が資源量に対し精度高く有意に影響していることが過去の資源変動から科学的に立証できた水産資源について、水産資源ごとに次に掲げる資源水準の値を定めるものとする。

(2)
案文

水産資源を構成する水産動植物の特性又は資源評価の精度に照らし、前項各号に掲げる値を定めることができないときには、当該水産資源の漁獲量又は漁獲努力量の動向その他の定法を踏まえて資源水準を推定した上で、その維持し、又は回復させるべき目標となる値を定めるものとする。

1-5-(2) 修正
環境要因が資源変動に与える影響が大きい資源については、再生産成功率の変動に対応した漁獲割合の目標を定めるものとする。

再生産性成功率がその資源の変動に大きく影響している場合において、その再生産性成功率のレベルを平均値などで回復させるべき目標を定めても、それは現実の資源状態とは乖離した架空のものに過ぎない。例えば、以下の図2は漁獲がないと仮定した時のマイワシ太平洋系群の産卵親魚量(初期資源の状態下にある)の変動であるが、これには当然ながら、上記(1)の管理目標を立てることは困難である。この再生産成功率に大きく影響される資源に一つの回復目標を定めることには全く意味がないことは一目瞭然であることから、その時々の再生産成功率に応じた現実的な目標資源水準を定めようとするもの

よって、過去の資源評価をもとに現在の再生産性成功率のレベルに応じた現実的な資源水準を定め、その維持又は回復のための漁獲割合を目標として定める。例えば、上記の図2の2000年から2010年の間における管理目標は、その低い再生産成功率に応じた低い資源量水準を目標と定め、その維持又は回復のための漁獲割合を管理目標とすることになる。
(修正案)

水産資源を構成する水産動植物の特性又は資源評価の精度に照らし、環境要因が資源変動に与える影響が大きい資源については前項各号に掲げる値を定めることができないことから、過去の再生産成功率と資源量の関係と現在のそれとの比較から現在あるべき資源水準を定め、その維持又は回復のための漁獲割合を管理目標として定めることとする。

 

 

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