次期政権の農林水産大臣は日本共産党から(その1)

(安倍・菅政権の問題点) 

この6月で通算8年半も続いたことになる安倍・菅政権は、衆議院議員の任期満了に伴い、遅くともこの秋までに行われる総選挙において間違いなく終焉を迎えると思います。私はこのブログの「ラスト・プライムミニスター・スガ」(2020年9月18日)で、「この政権を倒すことは、指先1本で簡単にできると思います」と書きました。しかし、今は「そよ風が吹いただけでも自然に倒れる自民党」の状態にまでになったと思います。

 

その理由は、この自民党政権の行ってきたことがあまりにもひどかったからです。安倍政権下での不祥事はこのブログ「安倍長期政権とは一体なんだったのか(中編)」(2020年7月13日)で列記した森友問題(財務省職員の告発自殺)、加計問題、河井克行・安里両議員の公職選挙法違反問題、桜を見る会問題、黒川検事長違法定年延長、賭けマージャン辞職問題、TBS記者準強姦逮捕状握り潰し問題などがありました。さらに付け加えれば、IRを担当する内閣府の副大臣だった(当時)自民党議員の秋元司による収賄や証人買収もありました。

 

これを引き継いだ菅政権下では、前政権にたがわず就任後わずか9か月間に

 

・総理自身の息子が関与した東北新社による総務省幹部接待問題

・NTTによる総務省幹部接待問題

・鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表による農相対象の贈収賄事件、農林水産省幹部の接待問題

・菅原一秀元経済産業大臣が選挙区民の買収と接待問題で議員辞職

 

が発覚しました。安倍前政権下での多くの不祥事について何も真相が明らかにされていない間に、菅政権下でも次々とこの通りです。私もこの歳まで多くの政権を見てきましたが、ここまで腐りきった政権は思い当たりません。

 

 2つ目の安倍・菅政権の問題点は、それまでの政権による憲法や法律の解釈を勝手に変更し、国の根幹にかかる部分まで内閣が簡単に変えてしまうことです。その典型が安倍政権下における「集団自衛権の解釈変更」や、菅政権下における「日本学術会議委員任命拒否」です。これでは選挙で国民の負託を得た立法府など存在価値のない「官邸一強・無法独裁政権」ということです。

 

 3つ目の安倍・菅政権の問題点は、自分さえよければという新自由主義に基づく規制改革で、多くの国民の実質賃金を低下させ格差拡大を招いてきた経済政策です。特に漁業現場に身を置く私からすると、企業優先のための障害となる零細漁業者を排除する新(改悪)漁業法に基づく施策の強制や、福島第一原子力発電所からの汚染水の海洋放出は、世界に誇るべき魚食民族に支えられてきた全国津々浦々の日本の漁業を確実に衰退させます。よって、絶対に認めるわけにはいきません。取り返しがつかなくなる前に、何としてでもこの政権を倒し、新(改悪)漁業法の即時廃止・前漁業法の全面復活と海洋放出中止を一日も早く実行しなければなりません。(2018年12月8日の新漁業法の国会採決で、反対票を投じたのは、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、希望の会、沖縄の党です。一方賛成票を投じたのは自由民主党、公明党、日本維新の会、希望の党でした。)

 

 国民は安倍・菅政権に、ほとほとうんざりしています。しかし、これまではどんなに不祥事が続こうと、選挙で連戦連勝を続けてきたのが安倍政権でした。その最大の要因は、束になってもかなわない自民党を前に、分裂を繰り返してきた野党では国民の選択肢とならなかったからです。あの時の民主党政権よりはまだましもありました。

 

(コロナ対策の体たらく)

しかし、今回はうんざりするだけとは違います。コロナ禍という未曽有の国難が現在進行中です。しかし、それへの現政権の対応は

 

人口1000人当たりのPCR検査数は、OECD加盟のうちの36か国中35位で、平均23.1回に対し日本はわずか1.8回。(2020年4月28日OECD発表)

 

ワクチン接種率は、OECD加盟国中でダントツの最下位。世界182カ国中でも131位。日本の人口100人あたりの接種回数は1.53回で、世界平均の11.61回より一桁も少ない。これは、国軍による市民への武力弾圧が続くミャンマーよりも少ない。(「日本のワクチン接種率は世界で129位 OECD加盟国で最下位」高橋浩佑 国際ジャーナリスト 2021年 5/10(月)21:57 yahoo ニュース Japan )

 

という体たらく。正直このデータには大変驚きました。いつのまにか、日本は先進国からとんでもない後進国に成り下がっていました。ワクチンの自国製造能力も失い、全国の保健所は、平成4年の852か所から令和2年の469か所とほぼ半減し、感染者に対応しきれない状態になっていました。まさに利益第一、安全・安心は二の次の効率優先の政治・経済政策が招いた結果でしょう。対策と言えば3度にわたる緊急事態宣言ともう何回目か覚えきれないほどの期間延長のくりかえし。休業支援金も雀の涙、焼け石に水。しかも巨額のコロナ対策の予算が使い切れていない中でです。

 

モリ、カケ、サクラなどにかまけ、嘘、隠蔽、改ざんに明け暮れていた自民党政権の8年間に、日本という国はかつての豊かな世界第2位の経済大国のイメージからほど遠い、とんでもなく劣化した国になっていたのがコロナによってよくわかりました。

 

これらの現状を見ると、そもそもこんな日本に五輪を開催する能力があったのかと恐ろしくなります。昨年の3月にコロナの蔓延で五輪の開催を1年延期することが決定した時すぐに、「五輪開催国の日本では、それまでにワクチン接種を済ませておきたい」とし、自国民優先で輸出を渋る外国に頭を下げても何が何でも確保し、接種を開始すべきであったでしょう。そうすればアメリカや英国のように今頃はマスク無しで五輪を迎えることができたでしょう。今になって主要国でのワクチン接種が一通り終わり、余ったものをもらうことができ始め、バタバタと1日100万人達成などと自慢していますが、もう完全に遅すぎます。これまでの接種率の異常な低さは、安倍・菅政権の怠慢としか言えません。

 

(五輪強行開催は未必の故意による殺人ともいえる)

なら、せめてこんなに接種率が著しく低い日本では、五輪を開催するのは無理です、外国から来られる方にも危険ですと素直に認めるしかありません。ぐずぐずと中止決断を先延ばししているうちに、「カネ、カネ、カネのIOC委員(ニューヨーク・タイムズ5月11日)」から先手を打たれ

「緊急事態宣言が出ても大会は決行する」

「首相が中止するといっても開催する」

「アルマゲドン(最終戦争)に見舞われない限り、開催される」

「五輪実現のために犠牲を払わなければいけない」

と、日本の主権すら否定され、五輪のために日本人は命を犠牲にせよとの暴言を吐かれてしまいました。「人殺しIOC」と言ってもよいでしょう。

 

ここまでコケにされても何の抗議もしない菅総理。それどころか、専門家は間違いなく感染拡大につながると指摘しているにもかかわらず、それを無視し「安全安心に全力を尽し開催する」とするだけ。その具体的な方法による科学的リスク評価も明らかにせず、ただ呪文を繰り返すのみ。このまま五輪を強行しようとするのでは、五輪が原因の感染と医療ひっ迫などで助かる命も助からなかった人の遺族から「未必(みひつ)の故意による殺人」として訴えられることもあると思います。

 

「未必の故意」とは「密室の恋」に似ていますが意味は全然違います。その定義は「行為者が自らの行為から罪となる結果が発生することを望んでいるわけではないが、もしそのような結果が発生した場合それならそれで構わないとする心理状態を意味する概念」です。分かりやすく言うとすれば、「もしかしたらこれで誰かが死ぬかもしれないけど、まあ別にいいや」という心境とされています。

 

菅総理がやろうとしていることは、「五輪がうまくいけば次の総選挙に有利になる。もし五輪で感染が拡大し死亡者が増えても、まあ別にいいや」です。緊急事態宣言下にある東京でわずか50日余後に、感染リスクの拡大が絶対に避けられない五輪開催を強行しようとする菅総理の行為は「未必の故意による殺人」という犯罪そのものだと思います。

今後は「まあ別にいいや殺人総理」と言われかねませんね。

 

五輪が商業主義化され、誘致に賄賂が横行する「守銭奴(お金をため込むことに異常な執着を持つ人)」と化したIOC。特に今回の東京オリンピックでは、スポンサー企業については従来守られてきた一業種一社の原則さえ外し、史上最大と推定される4000億円以上を集めているといわれています。何とか今だけやり過ごせばお金になるという、まさに新自由主義経済の「今だけ、金だけ、自分だけ」は全くIOCにも当てはまります。

 

そういう中で、さらに国民感情を逆なでにする以下のような五輪優先の発言が続いています。こんなことでは、「何が緊急事態宣言か!」「バカにするのもいい加減にせよ!」と飲食店が休業要請に従わなくなったのも当然です。

 

「飲食店には酒禁止」⇔「選手村では酒OK」

「国民はソーシャルディスタンス」⇔「選手村では35万個の超濃厚接触用避妊具配布」

「子供の学校行事は自粛」⇔「81万人の子供は五輪(コロナ)観戦(感染)へ」

「国民はPCR検査を希望してもできない」⇔「選手には毎日PCR検査実施」

「国民にはステイホーム」⇔「五輪はパブリックビューイングで大密・大盛り上がり」

 

(次回総選挙における国民の判断)

これまでの選挙結果をみる限りでは、自民党政権の不祥事や政策の失敗は、有権者の投票行動にほとんど影響を与えませんでした。しかし、外国に比較し著しく劣ったこれまでのコロナ対策と、その一方での「強い感染力を持つ世界中の変異株が一堂に会す祭典」となる五輪強行開催は、必ず投票行動に大きな影響を与えると思います。なぜなら、テレビで見るだけの自分とは距離的に離れた地域での大災害とは違い、国民一人一人が日々の生活において自らの命の危険を身近に感じざるを得ないのがコロナ禍だからです。いつB29の爆撃で死ぬかわからないという戦時中のように、いつ自分がコロナに罹るかわからないと、日本人のすべてが生命の危険を感じ、日常の生活様式を一変させられたのは、戦後において初めてではないかと思います。

 

随分前置きが長くなりましたが、いよいよ今回のテーマである次回総選挙後の政権の話に移りたいと思います。今回のブログのテーマを「次期政権の農林水産大臣は日本共産党から」としたのは、政権交代を実現するためのキーマンが日本共産党と確信したからです。そよ風が吹いただけでも自然に倒れる自民党であっても、それを倒れないように支えてきたのが、これまでのバラバラ野党でした。現に政党別の支持率を見ても、自民党を上回る政党はありません。

 

以前熊野市の漁村に住んでいた時に理屈を超えた自民党の強さを肌身で感じたことがあります。自民党議員の選挙演説に動員された住民に対し、「あなたたちは一人の子供もいなくなった高齢者ばかりのこの漁村に住んで、なぜ自民党に腹が立たないのかと」質問した時に、ある人が「(50年以上前の昭和34年の)伊勢湾台風でお世話になったから」と答えたのでした。一度も自民党以外に投票したことがない人々においては、自民党への投票はもう地域の慣習となっており、政策の良し悪しで判断する問題ではないのです。

 

「内閣支持率は低くても30%台前半にとどまっており、高ければ40%前後を維持している。政権が瓦解するような気配は全くなく、党内の雑音も少ない。このままワクチンが行き渡り、東京五輪を小規模で手堅く開催できれば、菅政権は完全に息を吹き返す。(JBpress,紀尾井 啓孟 2021/06/09 18:00)」という見方もあるように油断はできません。

 

とはいえ、2009年8月30日の総選挙で(当時の)民主党が圧勝し、政権交代を成し遂げた事実もあります。決して不可能ではありません。現に、この4月の衆参3選挙区の補欠選挙と再選挙では自民党は3連敗しました。特に広島の再選挙には自民党幹部らが集中して、てこ入れし、一時は楽勝ムードも出ていましたが、事実上の野党統一候補の猛追を受け、結果的に敗北したといいます。

 

つまり、次の総選挙において野党が統一候補を出せるかどうか、野党(特に立憲民主党と日本共産党)による連合政権構想がまとまるかどうか、そこにすべてがかかっているように思われます。12年前の総選挙では当時の民主党が単独で過半数を獲得しましたが、今回は共産党の票も合わせないと勝てないと思います。かつての日本軍に対する中国国民党と中国共産党による政策の違いを乗り越えての協力関係「国共合作」のような令和の「民共合作」を何としてでも実現してほしいと切望します。日本の国民を救うために。

 

それにしても「共産党」というネーミングに対する多くの国民のイメージはよくありません。「あの共産党が!」と他人を蔑むときに使われる慣用句にもなっています。それは、かつてのスターリン、毛沢東による自国民の大虐殺、現在進行形の中国や北朝鮮による圧政を見れば当然の反応でしょう。しかし、日本共産党の綱領などを詳しく読むと、その国民の批判を踏まえ、最近では変化してきております。というか、そもそも旧ソ連も中国も社会主義国でも共産主義国でもなかったことがよくわかります。綱領を素直に読む限りでは、過去のイメージからの思い込みによる誤解も随分あります。国会での質疑を見てもその理論整然とした追及は断トツです。党の地方組織がしっかりしているためでしょうか、国民の隅々まで張り巡らした情報収集能力は、ほかの政党は到底及ばないと思います。政権交代にはこの党の力が不可欠です。

 

正直に言って私はこれまで日本共産党に一度も投票したことはありません。自民党か民主党のいずれかでした。しかし、今回は違います。平気で大臣室で賄賂をもらった農水大臣が作った新漁業法。明らかに漁業の敵となったこの腐りきった自民党政権を倒すことができるならなりふり構いません。堂々と公言して日本共産党に投票します。国民もそのくらいの決断をしないと、国民の命よりマネー五輪を優先するような現政権は倒せず、日本人は救われないように思います。

 

ということで、次回以降は日本共産党が参加した連合政権を実現するためには、何が必要なのかという点について、私見を述べていきたいと思います。

 

最後に読者の皆さんにお詫びと感謝の言葉を述べたいと思います。

 

私はこの約半年間ブログを全く更新しませんでした。休眠状態にあった理由は、1-2月は新設された黒ノリ加工場の手伝い、3-4月はワカメ作業の手伝い、5月は私が監事をしている3団体の期末監査と逆にエコラベルの年次現地審査を受けるための準備と続き、とてもパソコンを前にしてゆっくりと座る時間がなかったためです。

にもかかわらず、この間も毎日50人ほどの方がこのブログを覗きに来ていただいていました。本当に申し訳ないと同時に感謝に堪えません。ありがとうございました。

(新設された黒ノリ加工場の外観)

 

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