枝野幸男代表様 「所得税1年間ゼロ」公約は直ちに撤回してください

昨日のネットに以下のニュースがありました。

立憲民主党の枝野幸男代表は26日、福岡市で街頭演説し、政権交代を実現した場合、新型コロナウイルス禍に伴う経済支援策として、年収が1000万円程度を下回る人の所得税を1年間実質ゼロにする考えを示した。「分厚い中間層を取り戻し、明日の不安を小さくすることが大事だ」と訴えた。毎日新聞 2021/9/26 19:56

私は来る総選挙で野党連合による政権交代を何が何でも実現してもらいたいと強く思っています。その点からして、枝野代表のこの発言は政権交代への機運を阻害しかねない極めて不適切な発言であり、直ちに撤回するよう強く望みます

 

その理由は以下の3点です。

 

1 政策的にあやまり

 

 枝野代表は所得税の減税を、「新型コロナウイルス禍に伴う経済支援策」としていますが、今、支援が最も必要な困窮している人々は、その所得すら得られないか又は極端に減少した状況にあります。よって、それらの方々の所得税をゼロにしてもほとんど支援になりません。

 

いまのところ何%の消費税減税を行うか決まっていませんが、最大でも5%と言われています。令和3年度当初予算歳入で見ると消費税は20兆3000億円、所得税18兆7000億円となっています。よって、仮に消費税を10%5%とするに必要な新たな財源は10兆円ほどになります。一方、所得税においては年間給与1000万円以上の人は、日本の給与所得者のうち全体で5%ですから、それ以下の95%の人の所得税をゼロにするに必要な新たな財源は(あくまで勘ですが)15兆円を超えるでしょう。

 

とすれば、先の9月8日に野党4党により締結された「次期衆院選に向けた政策協定」にある消費税減税において「消費税をゼロ」にする方が困窮者救済効果と財政面からもより適切だと思います。

 

さらに言えば、コロナ禍にありその日の食事にも困窮する人と1000万近い年収のある人とを今、同様に税制で支援することが必要なのでしょうか。「分厚い中間層を取り戻す」などはたった1年の所得税ゼロで達成できるものではありません。コロナ終息後において、立憲民主党の綱領の冒頭にある「熟議」に従い、じっくりと時間をかけて、法人税や富裕層への課税強化などにより対応すべき課題ではないでしょうか。

 

以上から、所得税をゼロにするくらいなら、消費税をゼロにした方が困窮者の救済と財政面からより適切であり、政策的に誤りだと思います。

 

2 野党4党政策協定との足並みがそろっていない

 

野党4党政策協定の「3 格差と貧困を是正する」では、「所得、法人、資産の税制、および社会保険料負担を見直し、消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得層や中間層への再分配を強化する。」とあります。消費税については「減税」と明記していますが、所得税は「見直し」となっています。当然この表現では今後4党での協議を踏まえ具体化を進めるものと解釈されます。

 

ところが、1年限りという条件は付いていますが「所得税ゼロ」という非常に大きな政策を突如として枝野代表は打ち出したのです。支持率が自民党のわずか1/6しかない立憲民主党がほかの野党との合意もなくこんな勝手なことをして、選挙に勝てるのでしょうか。野党共闘を崩壊させかねないこのようなやり方は極めて不適切です。

 

3 あの時の民主党を想起させる

 

 枝野代表の発言については、そのニュースのコメント欄に私と同じ受け止め方をした多くの意見がありました。あの時の民主党の公約「16,8兆円の財政捻出」「7万円の最低保障年金」「高速道路の無料化」「ガソリン暫定税率の廃止」などが実現できないままに終わったことを想起させました。できもしないことを選挙前になると軽々しく言う。また同じことを繰り返している。だから立憲民主党も信用できないと

 

 私はこのブログの「次期政権の農林水産大臣は日本共産党から(その6)2021年8月16日」で、①できないことは約束しない。②約束したことは絶対にやる。③約束になかったことは絶対にやらない。の3つの約束の必要性を訴えました。本当に枝野代表は「②約束したことは絶対にやる。」という具体的な根拠が「所得税ゼロ」の公約実現においてはあるのでしょうか。

 

 私はないと思います。なぜなら、あの時の民主党の反省を込めて作成した立憲民主党の綱領の基本理念の冒頭にある「熟議を重んずる」を踏まえて出てきた政策とは到底考えられないからです。福岡に行く飛行機の中でポット頭に浮かんだのではないでしょうか。もし、以前より明確にそのような政策があったとすれば、すでにこれまでの国会質問などにおいて、何度もその主張を繰り返しているはずです。少なくとも私はそのような事実を知りません。

 

 以上3点から「所得税1年間ゼロ」公約は、直ちに撤回すべきだと思います。何が何でも次の総選挙での政権交代が必要なので、どうか、あの時の民主党のような自滅路線を繰り返さないように強く枝野代表に求めたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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